「ちょっと体調悪いけど、まあなんとかやってるよ~」からのうつ病

唐突に、前の記事とはだいぶ毛色の異なる話をする。

 

昨年春、うつ病と診断された。

最近ちょっとおかしいな、と思って、まずは大学のカウンセリングセンターに相談した。無料だったから。

カウンセラーの方に「カウンセリングで何か解決できるとは思えない」(我ながら失礼)と言ったら、「それならなおさら、よく来てくれましたね」と返されて(あ、プロだ)と思った。

そして生活状況や感じていることをを話したら、「睡眠と食事がうまくできないとてきめんにダメージ食らうので、まずそれを整えましょう。必要なら薬使って」と近くの病院を紹介してくれた。

その数ヶ月前の日記やメモを見直すと、就寝・起床時間、睡眠時間はバラバラだし、食事の量やタイミングもまちまちだった(欠食もよくあった)。さらに遡ると、睡眠・食事・気分の不調は少なくとも2年前から出ていた。しかし当時は「ちょっと体調悪いけどなんとか頑張れる」とか思ってたりして、病院に行くなんて1ミリも頭になかった。

 

紹介してもらったものの、すぐには病院に行かず、締切が近い申請書やら遅々として進まない研究やらに焦りを感じながらしばらく過ごしていた。

ある日私は大学に行く準備をしリュックを背負って家から出ようとした。そしてそのまま立ちすくんで泣いた。泣きじゃくるわけでもなく、ただ静かに涙が流れ落ちた。たまたま家に来ていた彼氏がそれを見て「君はまともな状態じゃない」と、病院に連れて行ってくれた。

私はうつ病と診断された。桜がきれいな時期だった。

 

そこから治療を開始して、家族に話して、指導教官に話して、休学手続きをとって、と進んでいくわけだが、カウンセリングセンターにかかる前から現在まで、出てきた症状を書き留めておくことにする。「こんなのちょっと体調悪い程度だよ~」という自己認識、あてにならんぞという戒めのために。

 

  •  気分の落ち込み、身体のだるさ

これは初期段階どころか数年来まとわりついていた症状。ただこの時はほんとに四六時中どんよりしてた。たまにテンションが高い時もあるが、そのあと絶対下がる。常にジェットコースターに乗ってる感じで、猛烈に体力削られる。ない体力がさらになくなる。動けない。

帰宅するともうスイッチ完全オフになって、ぼーっとして、涙があふれてきて、泣きながらなんとか料理したり、風呂入ったり、寝たりした。

研究室にいるときも、動悸がきてトイレの個室に逃げ込むこともあった。外から聞こえるウグイスの鳴き声で我に返るときもあった。 

  • ひたすら眠いor全然眠れない、途中で起きる

初期段階から出ていた症状。眠くて眠くてしょうがない時期と全く眠れない時期を2~3週間くらいの周期で繰り返していた。早く寝たはずなのに昼過ぎに起きるとか、明け方まで眠れずそのまま大学に行くとか、夜中急に目が覚めるとか。

初めて睡眠薬を処方してもらって飲んだとき、「あっこれはオーバードーズする人の気持ちちょっとわかるわ」と思ってしまった。

その時は眠れない期だったので、布団に入ってふよふよまどろむことができる、というだけで幸せだった。辛くてしんどくて追い込まれてる状態だったら、そこから逃れたい一心で飲んでしまうかもしれない。ちゃんと眠れてない、ってだけで人は判断力がぽんこつになる。

  • 食欲減退

これも初期段階からあった症状。食べたいものが全く浮かばない。食べてみたらおいしいなあって思えることもあるけど、だいたいは食べてもおいしくない。戻してしまうこともあって、最終的に脱水状態になったこともあった。

  • からの抜け毛、肌がっさがさ

まさか抜け毛が増えるとは思っていなかったが、栄養が足りないそんな不毛の地、毛も抜けたくなる。

そしてわりと肌トラブルとは縁遠かったのに、超乾燥した。自分の顔が粉吹いてるの初めて見て動揺した。母親は乾燥・敏感肌なので、素地はあったのかもしれない。即母親に電話してスキンケア教えてもらった。

  •  光・音・においへの過敏、頭痛

治療開始後、しばらくして強くなってきた症状。 これは自分でも最初うつ病の症状なのか、単に別の体調不良なのかわからず、医師に話してみて「偏頭痛かもしれんけど、うつ病にもそういう症状あるよー」と教えてもらった。

この2つの症状は密接に関係していて、いろんなものが眩しくて、うるさくて、鼻について、頭痛につながるという感じだった。特に眉毛のあたりが痛くなる。目の奥、とかなのかもしれない。

ひどい時は一日中電気を消して目をつぶっていなければ辛かったし、うどんのお出汁や炊きたてご飯の匂いがきつかったし(お惣菜売り場とか最悪)、窓越しに聞こえてくる外で無邪気に遊ぶ子供達の声が耐え難かった。その結果、外出が億劫になった。

 

書き出してみて、はーーーーーしんど!!!!よく大学行ってたな!!!って感じるけど、なんか多かれ少なかれこんな感じの院生、結構いるような気がするんだよな…きっと働いてる人の中にも…

最初カウンセリングセンターで言われた、「睡眠と食事がうまくいかないとダメージくるよ」っていうのは本当だった。睡眠が投薬で改善されていったら、ほかの症状もだいぶましになった(と思って調子に乗っていろいろ動き回ったらぶりかえした、反省)。

 最近なんか疲れとれないなあ…という人は早急に温かい風呂に入って寝てほしいし、眠れないんすよ、という人には睡眠外来でも心療内科でも行ってほしい。

頭脳労働も肉体労働、だから一億総「体が資本」状態。こんなとき生産手段持ってないのつらいな!でもほんとみんな自愛して生きてくれ!!!って思いながら、治療を続けている。締まらないけど終わり。